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自筆の遺言書が出てきたら

遺言書が出てきたら

ある方が亡くなった後、遺言書が発見されたり、親族の方が遺言書を預かっていたりすることが
あります。
遺言書がある場合、原則的にはその遺言書の内容どおりに遺産を分けなければなりません。
(相続人の全員が同意すれば、その全員の協議により遺言書と異なる遺産の分割をすることは
可能です。ただし、遺言執行者がいる場合は、遺言執行者の同意も必要です)

もし、封印がされた遺言書の場合、開封して中を見たくなるのが人情ですが、勝手に開けては
いけません。
勝手に封を開けたからといって遺言が無効になるわけではありませんが、5万円以下の過料
(かりょう。罰金のようなものです)に処せられることがあります。

公正証書遺言の場合は必要ありませんが、自筆の遺言(自筆証書遺言)や秘密証書遺言の場合は
封をされている、いないに関わらず、家庭裁判所で遺言書の検認(けんにん)の手続きを
しなければなりません。

検認の手続き

遺言書の保管者または遺言書を発見した相続人は、家庭裁判所に検認の申し立てを
しなければなりません。

申し立てをすると、裁判所は検認をする期日を決め、相続人の全員に通知をします。
申し立てをした人は、その検認の期日に出席しなければなりませんが、通知を受けた相続人が
出席するかしないかは任意です。

封印をされた遺言書は、その検認の期日に裁判所で開封されます。
そして、遺言書の確認がなされた後、検認済みの証明書が遺言書に
ホチキス留めされます。
なお、検認にかかる時間は、だいたい2、30分くらいです。

検認に必要な書類・実費

一般的な検認に必要な書類は、次のものです。
・検認の申立書
・遺言をした方の生涯戸籍
生まれてから亡くなるまでの戸籍・除籍謄本です。
・申立人及び相続人全員の戸籍謄本
・遺言書のコピー(封印されていない場合)
・遺言書の封筒のコピー(封印されている場合)
なお、遺言書の原本は検認の当日裁判所へ持参します。

必要な実費は、次のものです。
・戸籍謄本等の取得費用
・遺言書1通につき、収入印紙800円
・郵便切手82円×相続人の数

検認が終わってひと安心?

検認された遺言書は、裁判所のお墨付きだからもう大丈夫、と思われがちですが、実はそうでは
ないのです。

ちょっと分かりづらいですが、検認というのは、簡単に言うと相続人全員に遺言書の存在を
知らせるとともに、検認の際の遺言書を確認し、その後の偽造などを防ぐためのものです。

つまり、遺言書に書かれている中身が有効か無効かを判断するものではないことに注意が
必要です。
実際に、検認済みの遺言書を見て、うーんと唸ってしまうこともたまにあります。

いずれにしても、公正証書遺言以外は検認の手続きが必要となりますので、
遺言書が発見されたらご相談くださいね。

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